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まとまりのない二次創作ブログ。日常と映画感想が最近のメイン。サイトの更新情報とゲームプレイ記もたまに。
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「THE FIRST SLAMDUNK」を観ました。

・ねたばれしかない
・長々書いたのにまだ書ききれていません。
・特に時系列は気にしてない
・同じ話をなんどもするかも
・映画と原作両方に触れていますが覚え違い思い違いはいっぱいあるとおもう
・自分メモです


スラムダンクは母の蔵書でした。図書館に入っていて、そこで読んだのが最初。
安西先生と小暮先輩と水戸が好きです。湘北スタメンなら宮城が好きです。
映画化するのは知っていたし、3Dでやるよの告知も見た。キービジュアルは井上先生のタッチがかなり再現されてていいじゃないと思っていました。
でも思い入れのある作品だし、観に行こうかどうかを迷っているうちに十二月になり、年度末の忙しさで映画館に近寄れず、年明けも仕事に忙殺されながら、評判を遠ざけつつ、興業が続いていることだけは確認しながら、でもやっぱり観ておいた方がいいのかもなあとうろうろしていました。
以前にアニメ化しているのは知っているけど観ていない。声優さんが全員変わるよ、で一時話題になったけど、観ていないから先入観はないだろう。好きな作品の映像化は怖い。けど、絵はいいしなあ。動くと違うかもしれないけど。ううん、もうこうなったら笠間さんの演る三井寿を聞きに行くつもりで挑めば何も怖くないんじゃないか。ヨシいける気がする。行こう。
そんなこんなで一月末、決意を固めたその日の帰り道は帰宅ラッシュの渋滞に巻き込まれて一度諦め、翌日の出勤が午後遅めになったのをいいことに、平日朝イチの回に乗り込みました。
結果。
ぐちゃぐちゃになった。
構成のうまさと画力と画面の強さと音楽に圧倒されて。ぐちゃぐちゃです。この映画、面白すぎる。
しかも令和になって宮城リョータのバックボーンがお出しされるなど思ってもみなくて。見事にパンクしました。しかも監督脚本・原作者。本当?本当らしい。
生きていればいろいろありますね。



・構成がいい
・絵がいい
・動きがいい
・声がいい
・音楽がいい
・演出がいい

なんかもう全部いい。
試合の展開も勝敗も全部分かって観ているのにずっと膝の上でタオルを握りしめていたし、無音の画面で息を止めていたし、ずっと涙が止まらなかった。あの時間、私たちは確かに観客だった。



細かい所とか思い返したところあれそれ。

・OP
オープニングに心つかまれて帰って来られない。助けて。鉛筆の筆致が動き出すのに音楽が乗って、ひとりひとり歩き方が違って、レタリングされた湘北の文字が出る。山王は王座からコートへ下りて来る。湘北のガラの悪さ、山王の堂々とした態度。ワルモノ見参だ!!!
そこからシームレスに始まるジャンプボール。最高。最高。
・心臓バクバク。だからめいっぱい平気なフリをする
「PG。特技はフェイク」っていうキャラクターのルーツにこれを出されたんですけどどうすればいい?
えっ、じゃあ、宮城リョータ。あの場面もこの場面も君の表情の意味が全部違って見えてくるんだけど。

電光石火の切り込み隊長。特技はフェイク。あと飛び蹴り。マネージャーの彩子が好き。安西先生曰く、湘北にスピードと感性を加えてくれた。
コート上でいつだってチャンスを狙う姿が印象的で、体格差を生かした低いドリブルと速攻が武器の、負けず嫌いで勝気な、煽られやすくて冷静で、単純なのに抜け目ない、コート上の司令塔。
私は宮城リョータの、アヤちゃんを見ながらだって外さないノールックパスと、陵南戦で仙道の上からシュート決めるところと、「二つ目のドリブルで置き去りにする」と、インテンショナルファウルで貰った苦手なフリースローを執念で二本とも決めるところがとりわけすきなんですけど、ノールックパスは「そのほうが早いし、ディフェンスが対応できないから」っていう彼なりの理屈の上で磨いた技で、「オレならいつでも止められると思った?」は相手エースへの精一杯の虚勢だし、速攻で抜くのは「圧をかけろ」「俺を倒すんだぞ」を「覚えてる」からで、執念のシュートはバクバクの心臓を右手と左腕に支えられながら打っていて、もう、そんなん。そんなんさあ。

安西先生がリョータに「君の舞台ですよ」って言ったところ、これは漫画ではリョータ以外のメンバーに「切り込み隊長ですよ」っていう場面だったと思うのだけど。リョータの事情を知らない先生が、「兄の立つはずだった舞台に自分がいる」って意識をずっと持ってるリョータに「君の」というのはたいへん効いただろう。は、と見開かれる瞳も印象的。


・彩子さん
リョータ、アヤちゃんって呼ばなかったな!?と観てから思いました。観客としてはスクリーンに彩子さんが映るたびうつくし……って見惚れてしまった。アヤちゃん。
前夜のシーン、原作では夜風にあたりに行った帰りに花道と遭遇するところが切り取られていたはず。ここの会話が聞けてよかったなあ。県予選のときもだけど、アヤちゃんが度々発破をかけるのがとても好きで。右手の「No.1ガード」にもうひとつ意味が乗って、試合中に右手を見るリョータのシーンでいちいちギュ……となりました。不安になったら手のひらを見る。翻っていま宮城リョータは不安である。落ち着こうとしている。ゲームを、自分をコントロールしようとしている。熱くなる頭を落ち着かせるおまじない。アメリカに行ってもなお続くルーティーンになった。
心臓バクバク、って弱音を吐くのに、いつも余裕に見えてるよ。って返してくれるの最高じゃないですか。いいじゃん心臓バクバクでも。それがあんたなんでしょ。

体育館襲撃の時、リョータは三井さんには大事な場所だからやめてほしいって頭下げてて、バスケ部にはやめろ手を出すなって諫めてて、でも彩子さんが殴られてキレた。「めっちゃ喧嘩っ早いじゃん」は、勘違いで桜木花道に向かっていったのとこの時のことかなと思ってるけど、喧嘩するしないの起点に彩子さんがいることはたぶん気付いていそうで、だから自分がストッパーにもなると思ってくれてそう。「いずれNo.1ガードと呼ばせて見せる」、が、一年入部時のリョータの挨拶。今はまだ「神奈川No.1ではないけど、No.2でもないけど」、あんたは「No.1ガード」。そうでしょ?だから大丈夫。心臓バクバクでも、余裕ぶって、胸張って、あんたの舞台にいってこい。
山王戦以外でもアヤちゃんは度々ベンチから声掛けしてくれるんですよね。「いいぞリョータ」「リョータ」「いけリョータ」プレイを褒めるとき、相手チームに手を上げそうなところを止めるとき。ここぞというときにいつも彩子さんの声がある。応援されると嬉しいし頑張れる。近しい人なら尚更。家族が観に来たミニバスの試合がそうだったように。きっと彩子さんの応援はいつもリョータの背中を押してる。

アヤちゃんって呼ばないしアヤちゃんの前でそわそわするリョータはスクリーンで見られなかったけれど、公式サイトのキャラクター紹介、なるべく短くまとめているはずの文章に変わらずある「マネージャーの彩子が好き」を信じているので、ああ見えてやっぱりアヤちゃんが好きなのは変わらないんだろうなあと思っている。バスケだけが生きる希望だったけど、続けるか迷ったときに出会った人がいる。今は自分がチームを強くしたいって思っている。劇場版のリョータは、やっと自分のためにバスケットボールができたんだろうな。そうやってこれから大事なものも好きなものも抱えきれないくらい増えていくといいな。
でもどうにかしてリョータがアヤちゃんって呼んでるところ見られませんか?


・ただいまとおかえり
OP前のリョータの「行ってくる」と終盤の浜辺でカオルが言った「おかえり」はつながっているのだなあと思うと。もう。
朝は一人で出て行った。行ってきますも言わずに。手紙には「ソーちゃんが立つはずだった舞台に明日オレが立つことになりました」とだけ。ミニバス以来たぶん試合を見ていないカオルさんが、自分で広島に行って…ミニバスの試合ですら入ろうか躊躇して後半はずっと左腕を握ってて声もかけられなくて。それが、行けって。言って。それは彼らにとって、すごく大きな一歩だろう。
浜辺のシーンで縦に揺さぶったのが本当は抱きしめたいくらいの感情の現れだとリソースで知りました。そんなさあ。不器用。


・7番がいい
変えてもらおうよ、って、微妙に震えたカオルさんの声音、傷つける意図のまるでない善意だと思っていて。比べられて悲しいだろうに、傷つくだろうに。兄と比べられて辛いならわざわざ同じじゃなくてもいいじゃない。同じがいい、って言うリョータの主張も、カオルさんに余裕がある時に会話ができたなら、もうちょっと意思の疎通ができただろうに。タイミング。
困難な状況から距離を置くことは悪いことではないです。けして。でも人には困難な状況のとき、そうしていっそ逃げさせてほしいとさえ思うときでも、それを選ばない時があって。あの時のリョータは、7番がよかった。大好きな兄の番号が。辛くても、怖くても、7番を背負ってバスケがしたかった。

膝を抱えたリョータが立ち上がってドリブルを始める心象風景、ずっと背中が向いていて顔が見えない。立てないリョータに駆け寄れなかったミニバスの試合でも、うつむいて手首を抑える顔はカオルさんに見えなかった。お面を無理に剥ぎ取った後も、お互い別の場所で顔を覆って、たぶん泣いて、8年経った未だにまともに面と向かえない。
バスケットボールが嫌だったわけじゃなくて、リョータがつらいのがいやだったカオルさん。兄を思い出すからカオルはバスケットボールを嫌嫌っていると思っているリョータ。すれ違いを解消できないままでも8年やっていけてしまえる。家族だから。でも宮城家がほんの少し、居心地の良い場所になるならきっとそのほうがずっといい。
自分がバスケットボールを続けることは母親が内心嫌がっているのだろうと思いながら、でも自分にとっては兄との大事な繋がりで、唯一拠り所で、正面切って本当は嫌なんじゃない?とかやめた方がいい?とか聞くのも頷かれたらと思うと怖くて、ダメだと言われないのをいいことに、ずっとやってるからバスケ部に入るのは当然だし別に応援されなくても平気って顔でやってたんだろうな。

上手くいかなかった上に引っ越しの切っ掛けになった自覚のたぶんあるミニバスのあの一試合、カオルさんが久しぶりに見に来てくれたあの試合のことをずっと覚えていて「嬉しかった」と紡ぐのだからきっと家族に応援されることはリョータにとって間違いなくうれしいことで、これは誰しも嬉しいだろうが環境によっては複雑だったりそうじゃなくとも照れが先に立つ場合もあろうということなのですが、今のカオルさんにとっては手放しの応援が難しい行為だと理解もしていて、見に来てよとも言えない神奈川以降のリョータを思っては胸が詰まる。


・アンナ
宮城家はアンナがいて回ってる。
「もうとっくに追い越してるのに」は年齢だけじゃないのかも。兄を亡くしてすぐこそ、幼くてわからなくて、おばあに言われた「遠くの島で暮らしている」を疑わなかったろうけど、一番最初に兄の死を受け入れてまっすぐ悼むことができるようになったのはアンナなのかなあ。


・自傷と発散
告白してはフラれること、自傷じゃない?と思っていて。フラれたようなものさって勝手に諦めて他の女の子に告白するくせに本命のアヤちゃんにはアピールだけして何も言わないこと。フラれなければ片恋をしていてもいいんじゃないかって。誠実じゃない行動をただするようにはもう見えなくて……フラれることでやっぱりなあを確かめる行動だったら相手の女の子にはいい迷惑だけどまだ納得かもしれない。原作と映画を無理に同一視しなくてもいいとは分かっています。整合性が取れるとわたしが楽しいというだけ。

リョータは母親のまじめで不器用なところが分かっていて、でも自分だって子供で、八年前はもっとそうで、兄が大好きの甘えたな弟だったくせに一気に家長になって、守るべき家には悲しみの深い母親と幼い妹がいて、どこにも寄りかかれなくて。ぐちゃぐちゃになるこんなん。同い年にヤスがいて同じクラスにアヤちゃんがいて、部活に先輩と馬鹿やれる仲間と後輩がいてよかったね……。
でもほどほにどっかで弱音吐きなさいね。つぶれるまえにね。絶対だぞ。
山王戦前夜会話でちょっと弱いこと言えてよかった。それを笑ったり急に改めさせようとしない相手でよかった。


・出発時間
明日何時?六時。のところ。嘘を吐いたか、六時より前に出たかだと思ってます。学校に六時集合だから嘘は言ってねえもん。みたいな。明言は無いので想像だけれど。
カオルさんは見送りに起きるつもりがなければたぶんそもそも聞かないし、リョータは深夜に書いた手紙を面と向かって渡せなさそう。


・手紙
カオルさんから見たリョータはきっと、ひとりで立ち上がって、ひとりでバスケしてる。沖縄でもやってたから、続けてる。泣いたりぐずったりしない、手のかからないけど、その分「わからない」。何も言わない息子からの初めての手紙に、バスケだけが生きる支えで、それを続けさせてくれてありがとうだなんて言われて。いつの間にかあったフェンスを自覚して、手をかけてもそこにあって。それで、カオルさんが広島に行こうと思ってくれたのが、彼らの大きな一歩で。コートの中のリョータはひとりじゃなくて、ソータの弟じゃなくて、誰の代わりでもないリョータだった。


・沖縄が見えた
そりゃあ怒るよ。手を上げなかったことに安心した。「運が良かった」がすべてだと思う。
事故後に病室の廊下で座り込んで天に手を合わせるカオルさんがすごくすごく好きで、この言い方は語弊があるかも、なにせ本当に心配して心の底から安心したのだというのが伝わって好きです。旦那さんとソータに祈っているのだろう。
息子が突然怪我して帰ってくる。中学校で殴られて、高校でも殴られて、かと思えば事故で大怪我して、復帰したと思ったら歯が欠けて帰ってくる。リョータはたぶん言ってない。殴られたんじゃなくて喧嘩だったことも、ただの交通事故じゃなくて無茶な運転をしたことも。
わからないって泣いてるカオルさんのこと、リョータは知ってるのかな。知らないかも。自分のしたことに母親は怒っている、って思ってるくらいだから。誕生日にビデオを観るのはソータとリョータ両方だっていうことも知らなければ、病室を出て廊下にへたりこんで、息子が生きていることに天を仰いだ母親の姿も見ていない。分からない。向き合えない。尻込みしてしまう。よく似た親子。
リョータの一番の公開は、父親が亡くなった時、母親の背に触れられなかったことなのだろうな。あの時怖気づいて、母に寄り添う兄の背を見るばかりで。兄が帰らなかったとき、きっとカオルさんはひどく悲しんだだろうに、その背中にもきっと触れなくて、ましてや見送り際にもう帰ってくるなって言ったのが最後だったなんて誰にも言えなくて、ほんとうはずっと声を上げて泣いてしまいたかったろう。八年後の秘密基地で、ひとりでそうしたように。
ところでカオルさんが手紙読んでる頃、広島に着いたリョータは豊玉を煽っているんだなあと思うとちょっと面白い。


・ソータ
ずっとみっつ上の兄。リョータと自分を特別と称したけど、リョータにとっては彼こそが特別だった。
聞こえていなかったとしても、リョータは「もう帰ってくるな」と言葉にしたことをずっと後悔していて、ずっとずっと船に乗って遠ざかる兄の姿を忘れたことがないのだろうな。
残ったのは手の中に隠したリストバンドだけ。ソータの雑誌と空気を抜いたボールを一緒にスポーツバッグに詰めて、秘密基地に置いてきた。どんな気持ちだったろう。行方不明。遺体は上がらず、葬式も出せない。お墓もない。けれどもういない兄の、僅かに残った痕跡を埋葬するような気持だったんだろうか。
前日に遠征準備しながらリストバンドを隠すシーン、身に覚えがありすぎる。自分にとってとても大事なものが、親に見つかったら捨てられてしまうと思ってる時のあれ。カオルさんの見ている前で丁寧に畳まれるユニフォームに胸がくしゃくしゃになる。だいじなものなんだ。


・マーガリン
さすがに空なんだと思ってる。食べきったら捨てような。


・流川
少なめの出番だけど全部全部顔がよくてこんなにも格好いい。エース。「そんなタマじゃねえよな」が最高すぎてどうしようもない。小暮さんの指示で素直に走るところ、声かけられたらちゃんと返事するところ、後輩を感じてすごくいい。花道以外にはけっこう素直。倒れた赤木さんに近寄るけれど助け起こさないところ、フリースロー成功で控え目にタッチに行くところ、好き。あと映像で見ると背中負傷後の花道が交代する直前の沢北へのファウルあれ絶対わざとでしょ…?もともとファウル少ないのにわざわざベンチ気にして沢北にぶつかってその後はとくに沢北のこと見ない流川。花道を引きずり出す為に高校生NO.1を出汁にするルーキー。不遜でたいへんいい。


・トン
沢北が目でフェイク入れるシーンの「トン」っていう書き文字の擬音がとても好きなんですが再現!されていて!音はならないのに脳裏に「トン」って出るんだもの。


・PG
円陣組むところは漫画にもあるけど内容がさあ。深津が気にしてるのわかってて、聞かせる前提で話すからあの言葉選びなんですよねえ。PGさあ。
TOで三井と会話(「走れるスか」「パス出すスよ」)
流川に行くと思わせる(「ダンナは流川を見てて」「行くぞ流川!」)
 今まで三井のためにスクリーンアウトしてた赤木が流川を見ればそっちかと思わせられる
 流川を走らせれば疑わない
 でも三井は走るから本命は三井
ノールックパスからの三井3Pシュート狙い
 もし三井がいなくても赤木スクリーンからの流川シュートに切り替えられる
で、ここから最後の、沢北シュート後の赤木が宮城を見た時の、顎で流川を指すところ。
「ダンナは流川を見てて」
選んだ言葉に織り込んだ作戦全部全部使って最後の花道の一投になった。
漫画ではTO開け「またサイン出すぞ」って締めてるんだけど映画ではないセリフで、これ以降サインとパスは確かなくて、円陣で花道の背中を支えてるのが、わかって。
「君はゴールへ向かってダッシュだ」を守る花道が、合宿で身に着けたジャンプシュートの一番いいポジションを取るのは流川とぶつかったときにわかってて。
10秒ない場面。もう花道が走ってる。自分には深津が張り付いている。「ダンナは流川を見てて」、あいつが速攻かけるから。追いつくとしたら沢北と河田で、深津は自分のマークで一歩遅れる。流川は決めに行く。でももしそれで、無理だと思ったら、あいつは「パスができる」から。今日のあいつはちょっと違うから。
思い出すとほんとうにPG仕事の巧みさにびっくりする。それは深津も意識する。THE FIRST SLAMDUNK、目と表情と細かな動きのつけかたがうますぎて、些細な表情の変化をすごくすごく大事にしていて、何回みても芝居の質感に圧倒される。




ぜんぜん書ききれない!! 続きは後日にでも……。



・赤木
ゴール下の大黒柱。主将。ゴリ。ダンナ。
宮城が「合わない」から「ダンナ」に変わったように、赤木の側にもチャラついた後輩から次期主将に認識が変化する過程があったのだろうな。
たぶん一番繊細で、周囲との不和にずっと悩んでいて、3年生の夏になってようやく望みが叶った。オレが行かなければ、が、オレが敗けても湘北は勝つぞ。に。それは綾南の引退試合で魚住が辿り着いたところでもある。出番こそなかったけれど観客席にいてくれる魚住……ありがとう……。首筋と頭にささやき声がかかるの、落ちる大根の皮の暗喩なのかもしれない。さすがに包丁持ってコートはだめだからね。
チャラついたパス、この試合では流川からも入ったけど、ちゃんと取れるようになっているのを見ると泣いてしまう。フリースローもうまくなったんだよ……。
赤木さんに木暮さんがいてくれてよかった。湘北バスケ部があってよかった。どれだけ怒鳴られても殴られても桜木があんなに懐いているのだから、きみの気持ちはきちんと周囲に伝わっているよ。
シュート決めて宮城と指さしあうシーンいいよね。原作だと豊玉戦でもやってたやつ。映像で見られてうれしかった。


・三井
まさかの中学二年生の姿が出た。髪がまだ短い!小学生?に、いっさいの悪意が無いところが逆にこわい。そんなだからデリカシーない扱いされるんだ。
自罰的というか、ここで仕事してチームに貢献しなければ自分はここにいる資格がないと、ずっとずっと思っている。三井のやったことは擁護されるべきじゃないとは思うけれど、改心して新しく歩こうとするのを止める権利は誰にもない。桜木を守るために罪を被った洋平たちと、三井を守るためにそれに乗った堀田たちが、試合を見に来ては応援するの、きっと彼が一番背筋を伸ばして応えてる。
でもさあ最高の仕事をしなければであの土壇場、ノールックパスを受け取ってインテンションファウル誘発してきっちり3Pとフリースロー決めるのはどう考えても執念のそれ。腕も上がんねえのにって呟き、相手チームの松本は信じたけれど、というかもうそれくらい体力は限界なんだろうけど、チームメイトはそれでも打つことをいっさい疑ってないのいいですよね。「そんなタマじゃねえよな」「パス出すスよ」だもんな。流川は1on1で3点決められてるから余計にだろうな。オレ相手に3点取りに行くようなことしておいて、試合じゃへばって打てないなんてことねえよな。信頼というよりこれは圧。
真面目に話しておいてアレなんですけど観に行こうの最後の一押しが「笠間さんの演る三井を聞こう」でして。それは元々笠間さんの声とお芝居がいいなあと思っていて、スラムダンクの三井に憧れてバスケをやっていた人だと知っていて、そんな夢のある話、足を運ぶしかない。だったんですけれど。最高でした。「オッケーしかし今日の三井はいいぜ山王よ」を何度でも聞きたい。あの調子がねえ 絶妙
あと「狡い真似を」は「オレが3P決めてディフェンスに戻るの遅れてる間に空気を一瞬で変えやがってあんにゃろう」くらいで捉えてる。普通にずるくないプレイなので。舐めちゃだめだな。の確認だろうな。


・桜木
はじめて読んだ当時は高校生が年上の存在で、大きく年齢を越えた今あらためて彼を見るともうどんどんかわいいやつに見えてきて不思議ですね……バスケットボールはじめてまだ4ヶ月なんです、4ヶ月の子犬(でかい)なんです……。
常人離れした身体能力が3Dアニメーションの技術でめいっぱい表現されていて、誰よりも早く最高点に到達するジャンプと速攻で翻る足首の動きがもう。私は山王戦の河田さんが桜木花道を評価するモノローグが大変好きなのですが、台詞に無くともそのシーンがきちんとあって、めちゃくちゃわくわくしました。
あとねえあのバッシュの靴裏が真っ赤ですごくすごく上がった。いや見えたのは怪我で肘をついて寝そべるシーンなので全然それどころではないのですけれど、あのゴツいバッシュの質感がきちんとあって感動した……。

「こんなにも誰かに必要とされたのははじめてのことだった」シーン、宮城の「待ってたぜ」に揺れる瞳の表現で泣いてしまう。嬉しいんだ。だからケガで下がった時に余計悔しいんだとわかって。ないてしまう。 背中傷めたあとの終盤容赦なく床にたたきつけられるのつらすぎる……速攻で走る宮城と流川のうしろで倒れていく花道がきちんとえがかれていてないてしまう。ないてばかり。
パス要求にそっぽむく「フン」がかわいくて、ダブルドリブルにくすっとして、ポールへの「ちゃんとやれ!」に和んで、台詞の乗らない「左手は添えるだけ」にじんときて。流川のプレーに悔しがる様、その流川が敵わない場面でもやっぱりぐぬとしていて。声も表情もくるくる変わるそんな君がすきだ。どうかケガから復帰して永劫元気にだいすきなバスケをしてくれ……。いや桜木は流川の終生のライバルなのでずっとバスケするんですけど……!救い。間違いなく。




見出しを諦めました



どう考えても、三井の

めちゃくちゃに3Pを入れる
→回ってきたパスをワンバウンドで赤木に流す
→「泡食って止めに着やがった」「もう腕も上がんねえのに」
→「奴は打てない!」って言ってる前で流川からのパス受けて入れる
→「打たせろ打たせろ」で本当に打たせたら外したけど桜木のオフェンスリバウンドでまた入れる
→宮城の速攻からノールックパスで止めに入った松本のインテンション誘ってから打つ、入れる

これやった三井のことを考えると外野でもぞわぞわするし松本のトラウマになってもおかしくない。いや劇場版は最後の廊下でタオル被ってるのが松本になってて、その下のひとみがすごくすごく冷たい印象になっていたのが衝撃でした。翻弄される姿が目につきがちだけど、THEFIRSTSLAMDUNK、キャラクターごとの細かい芝居を3Dに落とし込んでいる中でやっぱり「バスケットボールがうまい」って見て分かるのは三井と松本 なんだよな……。沢北いなけりゃどこでもエース張れる男……。
松本からしたらもうフラフラじゃないか!奴は打てない!になるのに宮城と流川は「パス出すスよ」「そんなタマじゃねーよな」なのすごいすき。騙されてくれないチームメイトたち。



赤木に魚住がいて、桜木に流川がいて、流川に仙道がいて、三井に赤木がいて、木暮に三井がいて。そういう風にライバルというか、そうじゃなくても対比するキャラクターが置かれている湘北面子で、宮城だけは原作でこれといったのが無かったと思っていて。試合ごとに曲者強敵揃いのPGたちを相手取ってはいるけれど。そういうところもうまいことTHEFIRSTで回収されていてよかったな……。
憧れた兄はもう居ないし、牧も藤真も深津も次の夏にはやれなくて、仙道は自分の敵と思っていない。そうして未来、アメリカで沢北が、ああして宮城と対峙している構造、うますぎてひっくりかえる。あの日敗北したチームのPG。かつての高校NO1。しかもポジション1番同士、つまりちょっとだけ宮城の経験が勝って、けれど沢北のセンスはまぎれもなく本物。 挑戦こそが人生の沢北の、未だ「すごい選手」という意味で「河田さん」と口にする彼にはPGといえばきっと深津で、今その位置で自分と自分を負かしたチームのPGが争おうとしている。 わくわくするだろう。きっと。それがうれしい。超えるべき壁を見つけた彼の笑顔を知っているから、退屈なんて感じられないゲームになるだろうから。



沢北と宮城のアメリカ留学記が読みたい……次の年には流川も桜木も来てくれ……。欲を言えばアヤちゃんが短期留学したりしませんか……。なんとなくアヤちゃんには語学系専攻のイメージがある。



リョータが心情を手紙にしたこと。手紙を読んだカオルさんが広島に行ったこと。そこでリョータの試合を観たこと。全部小さな一歩だけど宮城家にとってはこの上なく大きくて大事だった。「生きてればね」って言ったアンナに何も言えないリョータとカオルさんが、それでも小さく意識を変えて、おめでとうもありがとうも、ビデオを見てみようと思ったことも、手紙を残そうと思ったことも、もっと早くても遅くても上手く行ったとは限らなくて、きっと彼らにはここだったんだろうな。
ドリブルを阻まれて転んでうずくまっていたちいさな息子は、転びそうなくらい低い姿勢でそれでも走れるようになっている。自分よりずっと高い選手に囲まれて、それでも勝ちを諦めずに頭を回して脚を動かしている。 そうして浜辺で腰を下ろしたのは、8年埋まっていない心の距離で、それをカオルさんが詰めたことに、きっとすごく意味がある。
これからのリョータと家族がずっと平穏であってほしい。




いまはただのグッドプレイヤー、自分で言っちゃうような厚かましい人間と思わせておいてあの自己肯定感が底の底にあるような内面をみちゃうと精一杯の虚勢だったのかもな……に変わってくる。
田岡監督からのスカウトもあったらしいと描写されているけれど、あの人は魚住さんや福ちゃんを張り切って育てる気質のひとだから、中学MVPっていう大きな実績込みでスカウトされた三井さんとはちょっと違うのかもなあと。でも中学でバスケ辞めてしまおうかって時に綾南から声が掛かってたら、もしかしてもうちょっとやれるかも……と思ったりもしたのだろうか。



天才でなくとも秀才でなくとも、持ってるものを全部使って、打てる手は全部打って、勝ちを取りに足掻く人が好きだから湘北スタメンだとずっと宮城リョータなんです。それがあんな保管のされ方をしたらもうどこにも足を向けられない。
追加された円陣のシーン、自分を意識してる深津に聞かれているのが前提で、それでもチームに意思を伝えるための、あの言葉選び。何重にも策を張って、ひとつでも掛かろうものならそのチャンスを逃さない。バクバクの心臓を抱えて、表情は努めて冷静で、ずっと頭を回している。だからPGって好きなんだ。本当にありがとう。
手の平を下に向けて、落ち着けよってするシーンほんとうにほんとうに好きです。この場面に来てすら心が折られていないことの証左を見て深津がちょっと目を見開くところ。 最初からバチバチ、沢北とのゾーンプレス、打たせるピョンキレがないピョン、煽ってたのは深津で、それが彼の役割で、勝ったすべての試合できっと打ち砕かれたPGを見てきた彼に、宮城リョータはどう映っただろう。めいっぱい平気な振りをするリョータは。お見通しだろうか。それともリョータが思ったように、こいつ動揺とかしないのかって、内心不思議だっただろうか。どちらにせよ並のガードに出来ることじゃないだろう彼のことを、終盤は本当に注視していたように思う。
ところでインテンション取られた後、静かに手を上げる深津のカットにスポーツマンシップと山王の教育が感じられてたいへんすき。ほんとうにほんとうに今までああいう場面でインテンション取られる選手ではなかったのであろうと、チームメイトたちの反応から窺えるのもいい。



山王なら深津が好きです。
高校バスケ最強と謳われる山王工業で1年からスタメンを張っているPGでキャプテンということ以外、彼のパーソナルな部分をほぼなんにも知らないけれど。監督に信頼される確かなゲームメイクと格下を侮らない精神とファウルを取られた松本に忘れろってすぐ声を掛ける手厚さと、でも大人相手だろうと構わずマイブーム語尾を付けちゃうアンバランスさが。たいへんに。取材の記者にピョンピョン言うくせに選手宣誓とか任されたら絶対はきはき真っ当に喋るんだろうな……。わかんないけどそうだとおもう……。
小さくて速いPGが苦手だろって言われながら、ディフェンスでぐっと腰を落として守るの、いいなって思う。苦手な相手だから負けたって言い訳を自分に許さないひとだ。 重ね重ね深津主将のこのチームが夏の全国大会を1戦しかしなかったの悔しすぎる。全国の高校生たちを率いて大学生に挑むとかそういう大会が開かれてくれ。
それとは違うのだけど画集の国体で都道府県別に並ぶ図は夢があっていい。


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うたの☆プリンスさまっ♪ 月宮林檎

うたの☆プリンスさまっ♪Debut 一ノ瀬トキヤ(CV.宮野真守)





うたの☆プリンスさまっ♪All Star 2013年3月7日(木)発売

うたの☆プリンスさまっ♪MUSIC2 2013年9月5日(木)発売発売



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